レンズの口径比   

 レンズの明るさ
「明るいレンズと暗いレンズではどちらがよいか?」と、いうことをよく聞きますが、「大は小を兼ねる」の論法でいけば明るいレンズになります。明るいレンズは、明るい分ピントが合わせやすく、ストロボなど使えない室内スポーツや舞台撮影に向いています。反面、明るいレンズは必然的に大きくなり、レンズ構成も複雑で金額も高くなります。
口径比
レンズの鏡筒には、商品名と共に焦点距離と最大口径比が記されています。この口径比はレンズの明るさを表す数値です。例えば、1:2.8とか1:4のように記されています。この数値が小さくなるほど明るくなります。レンズの口径をD、焦点距離をfとすると、レンズの明るさは(D/f)の2乗に比例します。つまりD/fが大きくなるほど明るいレンズということになります。このD/fのことをレンズの口径比といいます。例えば、レンズの口径(直径)が25mm、焦点距離を50mmとすると、25/50で、口径比は1/2になります。そこで、レンズの鏡筒には口径比1/2を1:2と記します。この口径比は1より小さくなるため、レンズの明るさを表すときには、通常口径比の逆数(f/D)のFナンバーが使われます。
つまり、口径比1/2はFナンバーでは2、1/4はFナンバーでは4となり、一般にはこのことをF2、F4とか絞4など呼んでいます。
Fナンバーの系列
前述のようにFナンバーは、数値が大きいほど暗く、数値が小さいほど明るいことを示します。
そして、レンズの明るさはFナンバーの2乗に反比例することになり、F4は1の16倍、F8 は1の64倍とFナンバーが大きくなるほど暗くなります。レンズに表示してあるFナンバー-の系列は1を基準として、1.4を公比とする次の系列《1・1.4・2・2.8・4・5.6・8・11・16・22・32・45・・》と表示され、数字が一段大きくなると明るさは半分になります。ただし、解放絞りだけはこの系列からはずれているレンズもあります。
使用されているFナンバーは、《1.8・2.5・3.5・4.5・5》などで、これは1を基準として1.12を公比としたもので《1・1.12・1.26・1.4・1.6・1.8・2・2.2・2.5・2.8・3.1・3.5・4・4.5・5・5.6・6.3》と、明るさが1/3ずつ変化する系列です。F3.5はF4.5より1/3明るいFナンバーだということです。しかし、実際の撮影でプログラム設定する場合では、F ナンバーは無段階に変わります。作例は露出モードをプログラムにして写しました。したがって、正確なシャッタースピードとF ナンバーは分かりません。この事は次号で述べます。
 レンズの口径比_f0018492_23501679.jpg

by yumehaitatu | 2009-02-07 23:42 | 写真雑学 | Comments(0)

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