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やぶにらみ論法103 【展覧会から学ぶ】堀田義夫   

やぶにらみ論法103 【展覧会から学ぶ】堀田義夫

まもなく「夢の配達人展」があるが、最近仲間たちとグループ展を開いた。

 そこで私の個人的な観察によると、展覧会を見てくれる人たちのなかに大きな過ちを犯している人が多くいるように思えた。

 「この写真何ミリで写した?」「そんなに長いレンズじゃないよね、100㎜くらいかな?」「こうした写真はやっぱり望遠だね」「ボケ具合がいい。絞りはいくつくらいなんだろう」といった調子で、作品の内容に触れることよりも関心はもっぱら技法なのだ。

 またモノクロプリンとなると、「プリンターはなに?」「用紙はどこの製品、その銘柄は?」と執拗に聞いてくる人もいる。

 それは写真の撮り方やプリントのお勉強会とでもいった見方だ。写真展を見て、上手い撮り方をする、綺麗なプリントだといった作例写真という見方しかできないというのは情けない。いまのカメラやプリンターの性能はそうした技法の習得を必要としないほど進化している。技術力を評価していた過去の価値観は捨てるべきです。作品を見てなにを感じ何を読み取るといったことが抜け落ちていたら、写真は薄っぺらなただの画像でしか過ぎないとわたしは思っています。 驚いたことに観客の方から、「作品が作者それぞれバラバラで、見にくい!」といった指摘もあったことです。

 「風景写真が好き」「花の写真が好き」といったように写真の分野の同好会としてまとまるということも腕を競い合うという意味ではいいのかもしれないが、いまは写真の趣味はシニア世代が中心だが、コンピュータ社会の中にいる今日のシニア世代は昔の同世代とは写真の感性が違うはず。写真上達法をお勉強する時代じゃない。

 私たちは、それぞれがそれぞれの方法で撮っている写真を持ち寄って、見せ合い語り合ったりしながら、写真展を開き、写真集に纏めている。金太郎飴でもあるまいし、指導者がいて、みんながそれに右に習え!といったグループ活動は望まない。

 ○○写真が上手に撮れましたという成果発表のような写真展では、心ある写真愛好家は物足りなさを感じるだろうし、共感も得られない。それぞれの作者が何を考え、写真で何を表現しようとしているのかを見てもらいたいと思っているのに、そうした期待を裏切っては申し訳ない。

 わたしの作品について多い質問は「はじめからこうしたイメージがあったのか?」ということだった。私がその質問に「モチーフ(写そうとした動機)に遭遇したら、とりあえず写します。それを何度か見ている内にイメージが湧きます」と答えると怪訝な顔をする。

 作品を制作するということは遊び心が必要。いまのカメラは「ちゃんと写る」んです。だからちゃんと遊べば、ちゃんと遊んだ心が観客に伝わる。「こんな写真見たことない」といわれれば最高の賛辞だと思っている。と答えて煙に巻いていました。まもなく「夢配展」です。大いに遊び心を楽しんでみてください。

疑 心


by yumehaitatu | 2017-09-02 17:00 | やぶにらみ | Comments(0)