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写真雑学59 一眼レフ   




写真雑学59 一眼レフ       渡辺澄晴


今年もCP+がパシフィコ横浜で開催された。以前の「日本カメラショー」から数えて50年以上の歴史をもち現在は、ドイツの「Photokina」アメリカの「PMA@CES」と並び世界3大カメラショーのひとつになっている。日本カメラショーは東京では銀座の髙島屋が会場だった。この頃はフイルムカメラの全盛時代で35ミリ一眼レフが主力だった。交換レンズもズームレンズや超望遠、超広角のレンズ、そして接写も一眼レフの大きな特徴なので、マクロレンズやそれに伴う接写機材なども次々発売された。

 当然花や昆虫を写す人たちが多くなり、カメラ雑誌からその撮影テクニックや機材の説明などの原稿依頼が頻繁にくるようになった。人に教えるには自分がそのことを経験し精通しなければならない。そこで我が家の庭をスタジオにして、接写に取り組んでみた。失敗も多かったが、そんな失敗も話のタネになった。そして写真展。

小さな庭の仲間たち こんなテーマで庭の草花、雑草、飛来してくる昆虫などを撮りまくり写真展を東京と大阪、札幌などで開いた。「被写体は足もとから!この写真展は我が家の小さな庭で展開する植物や昆虫の1年間のドラマです」これが写真展のキャッチフレーズだった。写真教室や講演には家の庭で撮った作例写真を編集してスライドホルダーに収め、そのスライドを投影しながら失敗談など経験をもとに話を誇張して聴衆を笑わせたりした。

 そんなある日、自宅に大分の農業高校M教諭から長い大きな段ボールが届いた。明けてみると温州ミカンの苗が10本。中の手紙には「先日は有意義なクローズアップのご講演ありがとうございました。・・餌不足でアゲハ蝶の幼虫の飼育にお困りのことを伺いお役にたてばと思い・・」実は大分で講演したとき「アゲハ蝶の一生を記録しているが、幼虫の餌が不足して困っている・・」こんな話しをしたそのリアクションの送りものだった。いただいた苗は2本を残し隣近所に分け、今では2本の苗は20キロの実のなる木となり、蝶も卵をミカンの葉に産みつけ、孵った幼虫は豊富な葉を食べサナギになり、羽化して元気に庭を飛び回っている。

カマキリの幼虫に魅せられ 家の近くの野原でカマキリの卵巣から幼虫が湧き出る光景を初めて見た。この神秘的な可愛い幼虫の仕草に魅了され、毎年近くの雑木林や野原に出かけ卵巣を採集してカマキリの誕生の撮影を楽しんだ。そしてこれらをまとめ、新宿のコニカギャラリーで「ザ・マンテス」といテーマで写真展をひらいた。展示作品の一部をデジタル化工をしたのもこのときである。

 以後も卵巣から誕生する幼虫の撮影に没頭していた。しかし年々周囲は宅地化され、卵巣の収集が困難になってきた。そこで新潟の友人にそのことを伝えると、年末になって友人から卵巣がぎっしり入った御歳暮と書かれたクッキーの缶が届いた。なんともありがたい戴きものだった。それから数年間、冬になると歳暮、年賀という形で宅配されてきた。あれから30年になる。アゲハ蝶は毎年、卵を産みにミカンの木にやってくる。カマキリも成虫になって飛んでくることもある。おそらくそのカマキリは新潟生まれの末裔ではないだろうか。



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by yumehaitatu | 2016-04-02 17:00 | 写真雑学 | Comments(0)