光の捉え方と画面効果 渡辺澄晴   

 集合写真や記念写真などに適した光線といえば、曇り日です。どこから写しても影が無く被写体に光が均等にあたるので、影を好まない集合写真や神社仏閣向きといえます。このような被写体は、太陽が雲に隠れたり出たりしている天候なら、一瞬日陰になるのを待って写しましょう。
 太陽下の人物や花などの撮影は斜光・半逆光・逆光などに挑戦しましょう。斜め上方からの斜光線は、適度な影ができ標準的なポートレートに向いています。被写体の斜め後ろからの半逆光は、画家のレンブラントでなくても好きになるライティングです。逆光は被写体の真後ろからのライティングなので、人物や花は輪郭に美しいライン状のハイライトができます。そのためこのライティングのことを、ラインライティングともいいます。注意したいのは、半逆光や逆光は背景が明るいのに対して、被写体には影の部分が多くなるので露出不足になりがちです。

 測光に際しては、あらかじめ1段程度+補正をしておくか、被写体の影の部分で測光してください。また、朝夕の太陽の低い状態では、光が直接レンズに当って、ゴーストやフレアーを起こす原因にもなりますので注意しましょう。
 太陽が真上に近い日中では、迷わず半逆光か逆光で写しましょう。光線が斜めのときと違ってゴーストやフレアーの心配もあまりなく、ライティングが楽しめる。そうは云ってもこの種のライティングはリスクも多く何かと制約を受けますが、克服すれば傑作も期待できます。またゴーストによる光芒など逆に画面に取り入れ、強烈な光をアピールする作品も多く見られます。
 写真は逆光で写したポピーの花です。花の上の割れたカラの輪郭と、透過した花びらが美しく表現されました。
光の捉え方と画面効果 渡辺澄晴_f0018492_9295537.jpg

by yumehaitatu | 2008-12-07 09:27 | 写真雑学 | Comments(0)

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