堀田義夫の「やぶにらみ論50」   

写真は3秒間が勝負
個人的なことだが、写真展をよく見るようにしている。「よい仲間を選ぶ・よい写真を見る・撮影の機会を多く持つ」ことは刺激を与えてくれ、写真を撮るときに大いに役立っているからです。
 ところで、いま(5月19日~25日)「08年度・ドリーム展」が例年のようにLプラザで開催されています。そこで思いつきですが、観客が作品の鑑賞にどの位の時間をかけているか、入場してから退場するまでの時間を計測してみました。
 その結果、一般的には平均7分かかって鑑賞していることが解りました。約80点の作品が展示されているから、一点の作品を鑑賞するのに約5秒かけていることになります。もちろん素通りされたり、じっくり鑑賞される作品もありますから、ここに挙げた数値はあくまで平均値です。
 その5秒間で「作者の表現しようとしているものはなにか?」「表現手段が適切だろうか?」「技術的レベルは?」「表現技法の巧拙は?」「表現意図に賛成できる。あるいは納得できない!」といった事柄を瞬時に判断するわけです。
 それでも、展覧会ですから、義理でお見えになる人もいるでしょうし、写真愛好者の自慢の作品に触れて自分の作画に啓発されることを期待して見えられる方もいるでしょう。ですから一点の作品に「5秒」という長時間?を費やしてくれるのです。
 これがコンテストの場合、500から1000点の作品が集まるとしたら、審査に1時間~1時間半くらいの時間をかけて行うのが普通です。仮に500点を審査するとして、講評や、表彰時間を省くと作品の評価時間(審査時間)は20分くらいだろうと思います。逆算すると2.4秒で一枚の作品の良否を判断する計算になります。いずれにしても、作品を鑑賞する、あるいは評価することに意外と時間をかけていないことに気づかれるでしょう。
 表題に掲げました【写真は3秒間が勝負】は私の持論ですが、仲間たちには必要以上にその持論を押し付けています。なぜなら、展覧会にしろ、コンテストにせよ、瞬間的ひらめきで鑑賞者や審査員の心をつなぎ止めなければなりません。ですから技術的に多少うまくても、類似作品が多いようなものは無視されてしまうことが多いのです。それよりも、技術的に多少欠点があっても、感覚的に新鮮な作品が望まれるのです。
 写真を趣味とする人たちは職人集団ではないのですから、技術比べでは意味がない。大事なことは多くの作品の中で存在感のある作品を作り出すことです。
 「存在感のある作品」とはどういうものか。それは、オリジナリティーに富んでいることが条件です。SMAPというグループが歌った「世界に一つだけの花」という歌の歌詞に「ナンバーワンよりオンリーワンをめざそう…」とありますが、今回のドリーム展ではA3ノビサイズ以下という制約の中で、桑田喜久子さんの作品が、そのオリジナリティーを評価されたことは嬉しい。たった3秒間で存在感を主張するようなオリジナリティーに富んだ作品を生み出すことを心がけましょう。
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by yumehaitatu | 2008-06-07 23:02 | やぶにらみ | Comments(0)

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