写真は売れる(97)      堀田義夫   

写真は売れる(97)          堀田義夫
 最近経験したことだが、東北大震災支援チャリティー展・熊本地震義援チャリティー展などに出品を要請されたので仲間たちに呼びかけて協力することにした。
 そのとき感じたことは、仲間たちの「写真なんかどうせ売れっこない!」という反応だった。だが、参加しての結果から、“写真は売れる” ということを確信した。
 具体的には、5月に開かれた「手工芸作家協会」主催のチャリティー展(慈善金集め)では、私が出品した10点の作品の内9点が売れた。
 もちろん買ってもらった中には趣味の仲間や知人が義理で買ってくれたこともあるが、皆さんの善意に頼るのがチャリティーなら、義理だろうが、迷惑をかけようが、それも許されると思っている。
 そうした仲間や知人たちの応援を得て、個人としての売り上げでは一番多かったと会長さんから感謝された。ちなみに私が出品したのは“堀田義夫「繪写真の世界」”の版画のカテゴリーの作品だ。
 ところで、こうした展覧会は作品の売値の上限値が決められていることが多い。そうしたとき私は上限に近い値をつける。「写真なんか売れない!」ということが世間の常識なのかも知れないが、私は写真じゃなくて作品を出品している。だから良ければ買い手は現れると思っているからだ。
 6月に行われた画廊主催のチャリティー展ではオーナーから「いくらにしますか?」と聞かれて、「いくらでも良いよ」と言ってきたという仲間がいた。
私はそれは違うんじゃないと思う。自分がチャリティーの趣意に賛同して参加したのなら、自分の自信作?を提供するだろう。それをゴミ扱いとまでは言わないが,「いくらでもいい」なんていうのはおかしい。作品が可哀そうだ。
堂々と作品に見合う値段(上限値は決められているからそれを勘案して)をつけるべきだと思っている。
 会期中にそのチャリティー展を開催している画廊に立ち寄った。オーナーがお客さんと作品の前で話し合っているところだった。私の顔を見たオーナーが「あら、先生丁度良かった、このお客さんがとても気に入った作品だといって私にいろいろ聞くんだけど、私写真のことがよくわかんないんで困っていたの」そしてお客に向かって「作家の先生です。この人に聞いてください」といってお客さんの前から離れた。
 そのお客さんは「気に入った作品と作家さんに会えたのも何かの縁、買わせてください」と商談成立。 オーナーは、こんなに写真が売れるとはいままで思っても見なかった。といって驚いていたが、デジ研から出品した3人の4点の作品は2日目にはすべて売れきれてしまった。
 写真をやっている人たちが「写真なんか売れっこない」と思っているのは錯覚でしかないのです。もし、売れないとすれば、それは既視感のある「なぞり写真」だからだ。買ってくれたお客さんの反応は「これ写真なの?」と異口同音に驚いていた。その理由は、いままで自分が持っていた写真の概念と違った、写真の別の顔に気付かされたことが作品を手元に置いておきたいという気を起こさせるのである。
 今回の夢配展でも、小閒さん・曽我さんの作品に関心が持たれて商談が進展していると聞く。斬新な作品なら、手に入れたいと思う人は必ずいる。そうしたことを感じた。
潮騒の町
f0018492_17365092.jpg

by yumehaitatu | 2016-09-03 17:33 | やぶにらみ | Comments(0)

<< 16年10月例会作品 16年9月例会作品 >>