堀田義夫の「やぶにらみ論法」(95)   

堀田義夫の「やぶにらみ論法」(95)

【生き甲斐を見つける】

 329日のデジタルフォト研究会の「上野」の撮影会に参加した。絶好の撮影日和に恵まれて多くの会員が集まって盛大な撮影会になった。参加者の多くは動物園に向かったが、私は西垣・大嶋・渡利さんたちと科学博物館から芸大・谷中などを彷徨して撮影を楽しんだ。

 谷中の街中で塗装工場の入り口に奇妙は人形を見かけた。「撮影して良いですか?」と尋ねたら、「アァ良いよ!」と気さくな返事か返ってきた。

 私が撮影している間、ご主人はじっとそばに立ってみていた。そして私に問いかけてきた。「こんなものを写してなにが面白いんだい?」。この質問には正直返答に困った。

 そこで、「なんで、こんなものを作ったんですか」と逆に質問してみた。

 工場長だというその男の人が話したことは、「数年前に東北に大震災があっただろう。そのとき、生きているうちは、何が起こるか解らないもんだと思ったが、時が経つにつれてその記憶は薄らいでしまった。だが、よく考えると、生きるためにいろいろと普段から要心しなければといったことが意識の中に刻み込まれたんだろうね。

 もともと何かコツコツ作ることが好きだったんで、いろんなものを作っているうちに気がついたら、こんなものができちゃったんだよ。だから、何で作ったかと聞かれても理由なんかないよ」とにこやかに話していた。

 

 仲間の一人が、この作品は胸の辺を見ると女性なんですよね。と問いかけたら、「そんなことは、どうでもいいんだ。アートは、説明のために作るんじゃないから… 本当はこんな筈じゃない!といったことが織り込まれていなければ、人の関心を引くことは難しんじゃないの」と、全く意に介していない。

 そして言葉を続けた。

 人は生きているうちは意気甲斐を求めるもんだ。僕は生き甲斐ということを6つに分類している。といいながら、

第一は、生きる悦びや満足感を得るために、自分は何が好きなのかを知ることだ。

第二は、世間様の役に立つことによって,生き甲斐とする人間でありたい。

第三は、生活に活力、張り合いを持つためには、健康管理に気を配る、条件付き健康でも良い。

第四は、自分を向上させる、レベルを上げるために,人間関係・人脈を確保することに努める。

第五は、安らいだり、気晴らしできる趣味を持つ。そうした心の余裕が大切。

第六は、生きる目標や目的をしっかり持つことだ。テレビと睨めっこしていてはダメ!

 こうした生き甲斐を持つ人と、持たない人とでは大違いだ。親子ぐらい年の違うおじさんに偉そうなことをいってゴメンね。おじさんも頑張りなさい!と励まされた。心に残る撮影会だった。

             「変な人形」
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by yumehaitatu | 2016-05-07 15:02 | やぶにらみ | Comments(0)

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