写真雑学51 時代遅れのカメラマン 渡辺澄晴   

                        
写真雑学51 時代遅れのカメラマン
写真展シーズン 個展、団体展と写真展の案内が頻繁に家に来ます。もちろん 時間の許す限り見に行っています。つぶさに写真展を見た感想は、作品が鋭くはっきりしてきたということです。つまりピントがよく画像が鮮明になりました。この事はデジタルカメラの効果によるもので、フイルムカメラで写したものと比べれば一目瞭然です。しかし、今だに耳するのは「デジタルカメラで撮った写真はピントが深い」。つまり被写界深度が深いということです。このようなことを言う人は、ズームレンズが発達していないフイルム時代、焦点距離の異なった交換レンズを何本も持ち、露出もピンとも手探りで決めて撮影していた1部の人たちの勘違いか、フイルム時代のノスタルジアを持った人たちです。このピントが深いという現象はカメラではなく、使用レンズの性能によるものです。
 今のカメラにはズームレンズが着き、露出もピントもカメラ任せの押せば写る便利なカメラです。そんな便利なカメラで育った人は、突然被写界深度の質問を受けたら答えに戸惑うこともあるかと思います。そこでこの「ピントが深い」の被写界深度についてちょっと触れたいと思います。
被写界深度 ある距離にピントを合わせたとき、その距離にある被写体が鮮明に写るのはもちろんですが、合わせた被写体の前後のものもある範囲は鮮明に写っています。その鮮明に写っている被写体の前後の範囲(奥行き)を被写界深度とか被写体深度と呼んでいます。
この被写界深度は、
①レンズの絞りを絞り込むほど被写界深度は深くなり、絞りを開けるほど浅くなります。
②ピントを合わす距離が遠いほど被写界深度は深く、近いほど浅い。
③被写界深度はピントを合わせた位置の前方は浅く、後方は深い。
④レンズの焦点距離が短いほど被写界深度は深く、長いほど浅い。
という4つが一般条件としてあげられます。ただし花など近くで写すと③の条件のピントを合わせた前後の深度はあまり違わなくなり、接写などでは前後の深度は同じと考えていいと思います。
何故デジタルカメラは被写界深度が深いのか 前述の被写界深度の条件を念頭に置き自分のカメラを見てみよう。上からレンズをのぞくと、18-200mm 1:3.5-5.6とか記してあります。このレンズに書いてある意味は焦点距離が18mmの広角から200mmの望遠で、明るさは18mmのときにF3.5だが、焦点距離を長くするに従い暗くなり、200mmではF5.6にF値が変化する。ズーム比が約11倍のズームレンズということです。フイルムカメラの全盛時代は今のようにズームレンズがなく、35mmカメラでは50mmF1.4またはF2が常備レンズで、広角レンズは28mm、35mmで明るさはF2かF2.8で、100mmでもF2.8の明るさでした。この被写界深度のことを書き出すと延々と切りが無く続きます。要するにフイルムカメラも、デジタルカメラも使うレンズが同じなら被写界深度も同じであり、浅い深度をのぞむなら明るい単レンズを使えばいいのです。
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by yumehaitatu | 2014-12-13 17:55 | 写真雑学 | Comments(0)

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