堀田義夫の「やぶにらみ論法」(84)   

堀田義夫の「やぶにらみ論法」(84)

【やる気】
 いまある仕事に取りかかっているが遅々として進まない。明日でいいやと先送りしていて【やる気】があまり起こらないのです。
 今月も友人の一人が他界した。私たちの年齢だから仕方ないのですが、それでもその友人とは一緒に写真を趣味に歩んできた人生だから感慨はある。
 最近の便りに「4月1日で81歳!。今日からロシア語の教室に通うことになった。去年ロシアに行ったが、言葉が通じないことで折角の旅も不満が残った。だからこれからロシア語を習って、シベリア鉄道を完乗(始発駅から終着駅まで)したい… それから文章講座にも通うことにした。自分史を書こうと思ったからだ。いのちが続いていたらネ!…」という内容だった。
 その男が、約二ヶ月後の5月28日に不慮の事故で黄泉への旅立ってしまった。坂村真民さんの詩に【人間いつかは終わりが来る 前進しながら終わるんだ】というのがあるが、その通り【やる気】満々の生きざまをわたしに見せてくれてきた仲間です。
 もう一人、60年来の友人が入院したという連絡が入った。誠実で何事にもクールに対処することからファンが多い。ここ数年体調のすぐれないことは感じていた。本来の生真面目さから、いろいろ写真界に顔を出し、教室にも指導に行っている。
 だが、人を介してわたしの耳に、○○先生はこの頃あまり元気がない。教室でも声が小さくて聞こえないし、あまり話さなくなった、ということだった。
 相田みつをさんの詩に【じぶんの後ろ姿は見えねーんだよなー じぶんには】というのがあるが、生徒にとってはその姿から、ある種の感慨を持つものです。そのため、生徒さんたちの【やる気】を削いでしまっていないか心配です。
 誠実な性格だから、みんなの期待に応えようとする気持ちはわからないでもないが、生徒たちの【やる気】を削いでしまっては本末転倒です。
 老人になっても、あらゆることに自分が前面に出るのは、いい生き方かも知れないが、大人げない。「大人げ」とは自分を引くことであり、わたしは「大人げ」という美学を大切にしたいと思っています。
 ところが、このことは人ごとではない。わたしも仲間と顔を合わせるたびに、「今日は体調はどうですか」と聞かれる。ということは、わたしも仲間たちの「やる気」を削いでいる、いってみれば、【じぶんの後ろ姿は見えねーんだよなー じぶんには】なのです。
 特にこれからの季節は最も辛い日々が続く。わたしより5才年長の教室に通ってきている人から、頑張りますねーと労われたとき、「仕方がないんだ」と本音を漏らしたら、「堀田さん、その仕方がないんだ、だから頑張るんだ!という気持ちが大事だよ」その気持ちがあなたの【やる気】を起こさせているんだ。と励ましてくれた。
 ただ【やる気】には期限を! 【やる気】を本物にするには、その実現のために期限をつける。それを怠ると【やる気】は夢のままに終わってしまう。と教えられた。
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by yumehaitatu | 2014-07-05 17:12 | やぶにらみ | Comments(0)

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