写真雑学45 こだわり 渡辺澄晴   

写真雑学45 こだわり

こだわりの顔の皺
 かってアイドルだった女性歌手が久しぶりに登場するのを新聞のテレビ番組で知った。若い頃の彼女は、きびきびとしたキュートな歌手だったが、あれから50年になるから容貌もかなり変わっているはずである。そんな予想と興味を抱きながらテレビを観た。予想どうり、あの頃のはりのあるキュートな歌声はなく、声量は落ちていた。ところが予想に反し彼女の顔には少女のように皺がなかった。が、その顔を幼児に見せたら泣き出すのではないかと思うような面相だった。舞台に立つ女優や女性歌手は顔の皺にこだわり、顔の整形は周知のことだが、彼女の顔はオーバーに例えれば、しゃれこうべ(髑髏)に目玉をつけたよう奇怪なものだった。皺のこだわりは程ほどにしたいもの、もうあの顔は二度と見たくない。容姿は自然体がいいと思う。

こだわった写真集
 3冊目の写真集を出版した。50年前が「ワシントン広場の顔」。28年後に「ニューヨーク28年目の出会い」。そして、今回の写真集は50年前と同じ題名の「ワシントン広場の顔」。それに1962-1964/1990/2013をつけた。つまり過去の2冊から主なものを抜粋したものと、今年5月に取材したものを合体して編集した写真集である。本の装丁は、いま出版界に君臨している装丁家の菊池信義氏にお願いした。菊池氏は50年前、「ワシントン広場の顔」を装丁・編集・デザインを担当した人だったからである。電話で連絡をとり、銀座の事務所を訪ねた。50年ぶりの再会だった。快く装丁を引き受け、私のこだわりにも賛成してくれた。その結果、本の厚みもページ数も表紙の字体も同じにして50年前の写真集の復刻版のような体裁となった。

こだわったニューヨーク
 今回、私がニューヨークへ取材に行ったことで、様々な噂が飛んでいる。先日、写真のパーティーに招かれたとき、「20キロの荷物を背負って単身でニューヨークに乗り込んだ!というのは本当ですか?」とA氏からも質問をうけた。正確には30キロの荷物と共に・・である。その内訳は取材のアテンドをしてくれるニューヨーク滞在の写真家T氏に依頼されたプリント用の和紙・A3ノビ200枚と、ずしっとしたみやげの羊羹他、トランクの風たいを含め20キロ。リュックには、メインカメラとサブカメラ、友人に寄贈するカメラの3台の一眼レフカメラと交換レンズ、ノートパソコンなど、しめて10キロ。そして小物を入れたバッグ。つまり荷物は三っつに分散した。
それらの荷物と共に空港から出てきた私の姿は、20キロのトランクを押し、10キロの荷物を背負い、小物を入れたバッグを提げて一人で堂々と・・なのである。これだけの事なのに話題になったのは、80歳半ばのご老体というハンディーがあるからだと思う。しかし、一人旅は、荷物の管理に神経を使うことは間違いない。いずれにしろ、この噂は悪い話ではない。この尾びれのついたニューヨーク取材の武勇伝、これからも楽しく承っていく。
               <雨の読書>
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by yumehaitatu | 2013-12-09 11:17 | 写真雑学 | Comments(0)

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