写真雑学23 「五輪の聖火台」渡辺澄晴   

「演出された?バンクーバー五輪の聖火台」
 バンクーバーの五輪とパラリンピックが無事に終わりました。五輪といえば開催国の趣向を凝らした聖火台への点火パフォーマンスが世界の衆目を集めます。聖火ランナーも北京五輪のような混乱はなく、理想の形にもどり点火の運びになりました。ところが、予定していた4本の聖火台の1本が立ち上がらず、せっかくの点火パフォーマンスも盛り上がりに水を差し、メディアの標的になってしまいました。
 しかし、閉会式ではその失敗を逆手にとり、せり上がってこなかった1本の聖火台を会場に現れた道化師がパントマイムで見えないロープで引っ張るようにして柱を持ち上げました。会場は笑いと拍手の大歓声。転んでもただでは起きない総合プロデューサーのリベンジ執念。あの開会式の失敗は最初から仕組まれたものだったのか?そんなようにも思える見事なショーでした。
 
「東京五輪の聖火台」
 話しは46年前の1964年10月の東京五輪に遡ります。テレビで放映される東京五輪は、日本選手団の入場と聖火ランナーが点火台に点火する場面が必ず出てきます。その点火台でモータードライブカメラが登場しているのです。前回の写真雑学22でお話ししましたように、1962年9月(東京五輪の2年前)シカゴで世界ヘビー級ボクシングタイトルマッチがあり、その撮影のためにUPI通信社の依頼で、特設リングの天井に5台の250枚撮りモータードライブを取り付けました。

「点火風景もアナログからデジタルへ」
東京五輪では、聖火台に点火する聖火ランナーの真後ろから黒い塊をつけた3本の長い棒がふらふら動いて見えます。その棒の先の黒い塊がニコンモータードライブなのです。シカゴのボクシング会場でヒントを得た外国カメラマンが長い棒の先に36枚撮りモータードライブを取り付け、複数の人がカメラの操作に携わりました。5台のカメラの操作を1人で行なったシカゴとは大きな違いです。
バンクーバー五輪と東京五輪の聖火台にまつわることは、アナログとデジタルの差がありますが、それだけに関わり合った者としては、いつ見てもあの東京五輪の点火風景は懐かしく笑ってしまいます。
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by yumehaitatu | 2010-04-03 18:05 | 写真雑学 | Comments(0)

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