やぶにらみ論法58 「面白くなければ趣味じゃない」堀田義夫   

 谷川真理さんという1991年東京国際女子マラソンで優勝した選手が、「マラソンの場合、まぐれで記録を出せるモノではありません。練習の質と量に応じて記録が伸びていくものです。」と語っています。
 ここが写真とは違うところだと思いました。
 写真の場合、あるコンテストで入賞したとか公募展で受賞したということを自慢している人に出会います。アマチュアの場合、公募展やコンテストに入賞することで、権威ある機関が実力を認定したと勘違いするのではないでしょうか。前出の谷川さんの話に「マラソンの場合、まぐれで記録を出せるものではありません。」といっていましたが、コンテストにしても公募展にしても「まぐれ」が多いのです。
主催企業や団体の枠内で取り決められた常識で、そこでの優劣の基準はそこでの常識と、たまたま一致したという「まぐれ」なのです。絶対的な価値観や実力評価とは無関係です。
 もう一つの思い違いは、実力や実績もないのに、「○○写真協会」などというところに加盟したり、「○○美術協会会員・会友」といった名刺の肩書きを欲しがり、いっぱしの作家を気取りたいといった
人たちがいます。それらの肩書きはその団体にしか通用しないことを知るべきです。
 スポーツの世界のように記録がはっきりしているのとは違って、かなり曖昧な価値観で左右されるアマチュア写真界では、そんなことより自分自身の力量と価値観をしっかり持つことを勧めたい
 趣味や道楽というものは、先生や仲間の趣味に合わせるんじゃないんです。自分が面白いと思うことが一番大切です。何事もやるからには上達したいと思うので人よりちょっとばかり努力する。
だが、その努力が苦痛であっては長くは続かないものです。  
漫画家の赤塚不二夫さん(天才バカボン)は、晩年記者から「修業時代は苦しかったでしょう?」という質問に対して「ボクは人のやらないことをやってきたから、ちっとも苦しいと感じたことはなかった。
自分が面白い!そう思ったことは人がやらなかったことをやっていたからです。自分が面白いと思わなければ、人だって面白いとは感じてくれませんよ」と語っていたが、全くその通りです。
 写真を趣味として60年になる。アマチュアとして私にはクライアント(顧客・得意先・広告主)がいる訳じゃない。またアートディレクター(美術監督)がついているわけではない。だからいつも自分が面白いと思ったことを続けてきました。その結果、周囲からは「おまえの写真は邪道だとか写真じゃない!と誹謗中傷されてきましたが、でもそのことを後悔してはいません。それより、これからはもっと面白がろうと思っています。
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by yumehaitatu | 2010-03-14 00:39 | やぶにらみ | Comments(0)

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