写真雑学21 ひとりよがり2 渡辺澄晴   

「ドタバタドラマ」
 「朝から元気の出る、笑いと涙の振り幅の大きいドラマ作りを目指しています。ドタバタと見えるのは、苦しい人生を笑い飛ばして精一杯生きる登場人物のあがきであります。」・・これは、NHKの連続テレビ小説「つばさ」に、私がドタバタ不要と苦言したその回答の一部です。
 で、なんとかその意図を理解しようと『想像力を喚起』して見ていたのですが、結論はやはり『ドタバタ劇』でした。視聴率13%台は朝の連続ドラマ始まって以来の低視聴率だったようです。この事は視聴者を無視した「ひとりよがり」演出だったからだと思います。

「写真の原点はシャープなピント」
整った写真に抵抗を感じる若手の写真家が、日常の不安感や虚無感などを表現しようとしたコンポラ写真が1966年頃に一時流行したことがあります。コンポラ写真は、現代の、今日的な、という意味でコンテンポラリー・フォトグラフィーを日本的に省略したものです。
 写真の既成概念からはみだした写真影像を意図した表現形式と、パターンに抽象化を加えた写真に「これが写真だ!」と、共鳴し真似たこともありました。しかし、日が経つに従いコンポラの意味が拡大解釈され、コンポラ写真の概念を履き違え誤解を与えるような、コンポラ=ボケ写真に変貌しました。やがて、騒がれ囃されたコンポラ写真の流行も去り、再び整ったシャープなピントの時代に戻りました。

「ニューアート展 2009」
横浜市民ギャラリーで催された、「写真の現在・過去・未来-昭和から今日まで-」という企画展をつぶさに鑑賞しました。久ぶりに接した諸先輩の素晴らしい作品。「これが写真だ!」と、改めて感動しました。当時はフイルムの感度も低く、ズームレンズも無く、カメラ操作も今のように押せば写るという便利なものではない時代なのに、先ず驚くのは見事な写真表現とシャープなピントです。この諸先輩の作品のコーナーを懐かしく鑑賞しました。
ところが現代の写真コーナーに足を運ぶと、「なんだ!これは!」と、思わず叫びたくなるような、広い部屋に大小さまざまな、ボケボケブレブレの、モノクロ写真がランダムに展示されていました。「これが写真?」。一目見て写されたものが何であるか判別できないものばかり。作者は、一枚ごとにどこで、何を撮ったか記憶になく、何気なくシャッターを切っているという。その写真表現は何となく理解できなくもない。だが、一点ぐらいシャープなピントで整った写真が見たかった。
      < 時 計 >
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by yumehaitatu | 2009-12-06 09:06 | 写真雑学 | Comments(0)

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