モノクロ3 渡辺澄晴   

可視光 
  光は電磁波であり、その光の400nm(ナノメーター)から700nmの範囲が人間の目に明るく感じる光線です。このことを可視光線と言い、紫・藍・青・緑・黄・橙・赤に分光されます。その可視光線の中で見られる天然の色を再現してくれるのが、カラー写真であり絵の具を使った絵画です。
  しかし、色を施さない墨の濃淡だけで画く水墨画があるように、写真にもモノクロ写真があります。もっとも写真の世界は今ではカラーが当たり前ですが、我々が写真を始めたころはモノクロだけでした。
  メトールやハイドロキノンなど現像薬品を天秤で量り、現像液を作り、撮影した像の出現を待つ期待と不安。そんな気持ちが暗室作業の醍醐味でした。そのような昔を懐かしむノスタルジア的な気持ちなのか、モノクロの素朴な味に魅せられたのか、近頃はモノクロの作品が多く見られるようになり、カメラもプリンターもモノクロに力を入れてきました。

メリハリ
  デジタルフォトのモノクロには、カメラをモノクロ仕様にセットして写す方法と、カラーで写してからパソコン上でモノクロに処理する方法があります。いずれにせよ、自然の色を白と黒との濃淡だけで表現するのですから見る側にしっかりメリハリのある撮影趣旨を伝えることが必要です。
  モノクロ仕様のデジタルカメラにはCC(シャープカット)フィルターに相当する機構があります。CCフィルターはモノクロのコントラストを強調したり、空の明るさを抑えて雲を誇張したりする効果があります。パソコンでの処理は、色相彩度、明るさ・コントラストなどで楽しめます。それらを使ってモノクロに味をつけてください。
  作例1は、雨上がりの神奈川県庁前の歩道に敷かれた陶器を中心に、落ちた銀杏の葉をカラー撮り、そのままモノクロにしました。作例2は、色相彩度と明るさコントラストで、白と黒のメリハリをつけ、造形的な表現にしてみました。
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by yumehaitatu | 2009-11-15 17:21 | 写真雑学 | Comments(0)

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