モノクローム 渡辺澄晴   

懐かしいモノクロ映画
「フジヤマのトビウオ」とアメリカのマスコミから称賛され、敗戦後の打ちひしがれた国民に生きる希望と勇気を与えてくれた水泳の古橋広之進さんが、去る8月2日亡くなりました。泳ぐたびごとに世界記録を出す古橋さんは、昭和3年生まれの私と同年輩でした。同じ年に生まれながら、こうも違うものかとずっと羨望の的でした。
当時は、テレビはなく、古橋さんの泳ぐ勇姿は、映画館でのニュース映画でしか見られませんでした。もちろんモノクロ。そのモノクロのニュース映画を久しぶりにテレビで見ました。カラー映像の合間に流れるモノクロニュースは、60年前の歴史とモノクロの深みを感じさせ、とても懐かしく思いました。
モノクロの深み
 テレビが一般の家庭に普及して間もない頃、ブラウン管の前に上側は青色、下側が赤色のフィルターをつけてカラーテレビの気分で見たことがあります。
 また、白黒写真には絵の具で色をつけ楽しんだこともありました。一巻の映画の一部分をカラーにした部分天然色映画を、胸躍らせて日比谷の映画館に行ったこともありました。カラー映像に憧れていた時代でした。
 しかし、今はテレビも映画も写真もすべてカラーです。そのため逆にモノクロが新鮮に見えるのだと思います。だからといって、何でもモノクロでは意味がありません。モノクロにも色があります。 紅葉や新緑、花などカラフルな風景も、モノクロでは黒と白のグラデーションで表現されます。その風景の何処に興味をもったのか、作品には分かりやすいメリハリをつける必要があります。
メリハリ
 作例写真を見て見ましょう。アサガオとともに夏の代表花、ヒマワリの群生を裏側から撮りました。カラーなら緑の葉の中の黄色い花は、綺麗に冴えて写るのですが、それを何も手当てをしないでモノクロにすると、(作例A)のように同じトーンの中で、花と葉の輪郭だけでメリハリがなく平坦なものになります。
 そこで葉と花を階調で分離して、(作例B)のようにしてみました。花がはっきり浮き出て見えます。方法はフイルム撮影と同様にCCフィルターを使う方法と、普通に写したカラー写真をモノクロに変換してからパソコンで処理する方法があります。(作例B)は後者で処理しました。
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by yumehaitatu | 2009-09-06 01:35 | 写真雑学 | Comments(0)

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